「これからの世界をつくる仲間たちへ」(著・落合陽一)を読んだ感想。

「天才」とか「現代の魔術師」などと言われている落合陽一さんの本を読んでみた。

「これからの世界をつくる仲間たちへ」の”これから”とは、コンピュータやAIが現在のような人間の手段である範囲を超えて、人間の上位の役割を担ってくる時代のこと。つまり、機械がほとんどの人間に対して指示するポジションにつく時代のことを指している。

そして”仲間たちへ”は、その時代に第一線で生きる世代、つまり2018年現在の中高生を指している。

来たるその時代に現役まっしぐらで生きる中高生に大して啓蒙している本なのだけれど、正直その世代でこの本を読んでしっかり感覚で理解できる人はそんなに多くないんじゃないかな、と感じた。

少なくとも最低限の現代のAIとかの成長を、理解はしてなくても見たことがないとそのスピード感とかが実感できなくてSF本みたいに感じてしまうような気がする。

この本ではその時代に「魔法をかける側」、つまりAIなどに指示をされる側にならないためには情報だけでない深い専門知識が必要と書いてある。それはそのとおりだと思うけれど、だからといってそれをがむしゃらに全員が追い求めるのも違うような気がした。みんなが追い求めろとはどこにも書いてないんだけれど、これ読んだ人は大体追い求めようとするだろうから。

テクノロジーの進化によって人間のすることが少なくなって、頭を使う仕事のほとんどをAIが担うのは当然だと思うけれど、その時代にどのように生きるのが自分らしいかを考える必要があるなぁと感じた。

個人的に重要だと思ったポイント

コンピュータの文化的性質を知らずに生きていくことは貧困の側に回るということ
情報と行動が富を生む現代ではこれはもはや当たり前の域なんだけれど、実際に貧困の側に回っている人はマジで分かっていないという負の循環。
もはや最優先での一般教養だと思われる。そしてこれからさらに加速する。やべぇ子どもにいつPC買ってあげよう。妻が反対するだろうなぁ・・・。

コンピュータは電化製品ではなく、我々の第二の体、脳、知的処理を行う隣人になる
現在でもかなりその要素は増えているけれど、それが加速したときの感覚はいまはちょっと想像がつかない。感覚的には、ドラえもんがそれに近いかなぁ。
もちろんあんなロボットの友達がそこにいるのではなくて、概念としての役割として。コンピュータがドラえもん。分かってないけど道具だけ出してほしいのび太が人間。みたいな。

英語などの語学力はテクノロジーによって不必要になる
外側の技術よりも本質的な能力が必要になる、ということだね。まぁそろばんとか習字みたいなもんだね。
これに限らず、コンピュータ(Ai)が進むことによって「目的」→「手段」→「達成」の「手段」の部分が省略されていく。伝えたい言葉は機械によって英語を使うことなく相手に伝わる。

コンピュータになくて人間にあるものは、モチベーション
目的意識、というものか。何をもってその処理を行いたいかの目的があって行動する場合は、「機械を使っている」と表現してもいいと思うが、計算機で出された数値をただ外部へ伝えているだけなら機械に使われていると表現してもいいかもしれない。

大切なのは、暗黙知をもつスペシャリスト・クリエイティブクラスになること
ググッた情報の詰め合わせではいけない、という意味を含むので経験値と表現してもいいのかもしれない。その領域において深い造詣があり、創造的専門性があること。表面の知識だけではスペシャリストとはいえない。

勉強ではなく研究が大事
ですよね~。アプリの仕事ではだいぶ研究的だったからそれが功を成したな~。ググれるレベルの情報よりも深い効果的な手法はいつだって自分で探してみるしかなかったね。

自分が解決したい小さな問題を探す
自分探し、みたいなことになりそうだったらこれを考えてみ、というやつ。
俺は子どもが生まれて、長男がやばい手がかかる子なので奥さんが発狂しそうになったのを見て、家にいつも夫(俺)が手伝える状態でこんな大変なのに、旦那が外に仕事に行ってる家ってどうなってしまうんやろ、と思って、それでほんの少し、1分でもいいからお母さんが自分の時間(トイレとかの時間とか)を確保できるようにって子ども向けアプリを作ったのが最初なんだよね。

自分の価値を認める強い信念が大事
あい。

いつか世界を変えるビジネスモデルを考える幸せ
これが最近なかったから、な~んかつまらなかったんだけれど、なんとなく考え付いてきたからちょっと歩き出してみようかな。この本を読んでなにか俺がアウトプットするとしたらここだな。
最終的に200億円とかを運用してそれを達成できたらいいな。

1、それによって誰が幸せになるか 2、なぜ先人はそれを出来なかったか 3、過去のなにを受け継いでいるか 4、どこへ行けばそれができるか 5、他の人が参入しにくい理由はなにか
なにか考えるときに大事だそうです。

分かっていたようで分かっていなかったようなことが明確に説明されていて、とてもいい本でした。他の本も読んでみようと思う。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

PICxPIC

会社を経営する30代男性。iPhoneアプリをつくったりしながら毎日ぴくぴく生きてます。

関連記事

  1. NO IMAGE

コメント

コメントをお待ちしております